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悟りへの思い

 大リーグで活躍しているマリナーズのイチロー選手が3000本安打を打った時のインタビューで、次のように語っています。
「王(貞治)監督は、(現役時代に)ヒットを打ちたいという気持ちが自分より強いと思う人はいなかったらしいです。ただ、『イチローは自分より強いかもしれない』って言ってくれたことがある。日本でやっているときですけど、それはうれしかったですね」(MAJOR.JPより)

 北京オリンピックで金メダル二冠を獲得した平泳ぎの北島選手も、金メダルと世界新記録に対する強い思いがありました。

 それではスピリチュアルの観点から見てみましょう。仏陀にある時、次のように尋ねた人がいます。
「あなたは全ての人が悟れると言っていますが、何故全ての人が悟れないのですか?」
すると仏陀は、
「全ての村人に望みを聞いて、それを紙に書いてきなさい」
と言いました。そして、その人が全ての村人の望みが書かれた紙を仏陀に渡すと、仏陀はこう言いました。
「見なさい。誰が悟りたいと望んでいる。」

 我々の本性は神そのものである為、悟ることは誰でも可能です。神道的な表現を使えば、誰でも天照大神になれます。ただ、多くの人たちは悟りを、天照大神になることを望んでいないのです。ほとんどの人たちは、幸福になりたいと思っています。しかし、聖なる教えが伝わっていない為、もしくはそれに耳を貸さない為に、自分の外側の状況にそれを求めてしまいます。それはスピリチュアルを学んでいる人たちにも、当てはまります。「もし自分の使命が分かったら・・・」とか「もし自分の師と出会えたら・・・」とか「ソウルメイト(ツインソウル)と出会えたら・・・」私は幸せになれる、もしくは自分の人生は満ち足りたものになる、と。

 しかしこの考え方は、大抵上手く行きません。まず自分が幸せで、満ち足りない限りは、一時は良くても必ず外側の出来事・状況に翻弄されてしまいます。

 幸せになる為には、心(マインド)を外側から内側に向ける=真我探求か、神に完全に全てを明け渡すかだと、聖者は伝えています。つまり、悟りを目指すことです。しかしその悟りへの真剣な思いが我々に欠けているのです。そしてこの真剣さが師を引き寄せます。我々は通常、自我=マインドのレベルで生きていますから、知識や霊性修行の方法を求めてしまいますが、真のグルは知識を与えたり、多くの修行を強いることに主眼を置いていません。

 アンマやサイババの元で多くの人たちが愛や平安、喜びを感じたことがあると思いますが、それが聖者の導き方です。そして何度も何度もその愛と平安を感じることによって、それが自然なものとなり、グルなしでも愛と平安を感じていくことになります。(自分のハートにグルがいることが分かります。)

 ですから聖者自身が言うように、『平安を感じたなら、それがあなたのグルである。』ということです。

 全ては内側からやってきます。悟りに対する真剣な思いが鍵となります。悟りと言うとハードルが高いように思うかもしれませんが、本当の自分を知ること、もしくは自分だと思い込んでいるもの(自我)を取り除くことです。真剣な思いを抱き、その道を進んで頂けたらと思います。