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静かに在ること

 仏教には小乗仏教(上座部仏教)と大乗仏教という言葉があります。小乗仏教は自分の悟りを目的とする仏教で、大乗仏教は自分一人の悟りではなく、多くの人たちを苦しみから救い悟りに導くことを目的とした仏教です。

 このことに関して、ダライラマ法王は『小乗仏教の教えを修行せず、大乗仏教の教えから修行を始める、と言うようなことはあり得ません。はじめに小乗の教えを修行し、これを土台として、大乗の教えを積み重ねていくことが必要です。』と仰っています。

 聖者マハルシも、世の中や人々の苦しみについて言う人に対し、『あなたは自分自身を救ったのか。まず自分自身を救いなさい。そしてそのあとに世界がどうなっているか見てみなさい』と言っています。

 勿論我々は、お互いに助け合い、支え合って生きていますが、通常我々が助けたり、癒したりしているのは、自我に関する一つの出来事、もしくはエネルギーです。悩みを一つ解決しても、直ぐに次の悩みが出てきますし、欲しい物を手に入れて喜んでいても、また次に欲しい物が出てきます。切りがありませんね。

 我々は過去生や、先祖の因縁、幼少の頃の体験、その時代のモラルなどによって、雁字搦めになっている場合が多いです。勿論それは自我に関することですが、ある程度は自我に関する問題を癒していかないと、内なる神に向き合うことができません。金銭的にゆとりがなかったり、健康が損なわれていると、通常は心にゆとりがなくなってしまいますね。病気や豊かさも、いわばマインドの問題ですので、マインドを正しく働くようにすれば解決するのですが、一般的にはこのことを理解することは難しいです。

 ですからはじめは世にたくさん出ている願望成就法などを利用して、ある程度自我を満足させてから、次のステップに進んだ方が進みやすい場合が多いですね。例えば、新月のお祈りで願望を叶えるやり方があります。月の満ち欠けに伴う、もしくは宇宙のリズムに伴うエネルギーの増幅を利用して、願望のエネルギーが現実化しやすくなります。

 しかし、豊かさに関するヒーリングやセミナーに出て、はじめは調子良くても、急にお金に困ったり、途中から全く叶わなくなったりしている方がいらっしゃると思います。人によっては、その人に廻ってくる豊かさを前借して頂いている場合があります。例えそうだとしても、それを感謝して受け入れ、惜しみなく分け与えることができれば、豊かさは上手く廻り始めるのですが、通常は自我を満たすことで満足してしまう為、上手く行きませんね。10万円手に入ったら、もう10万。いや、100万と言うようにです。


 ここで本題に入りますが、もし、神と一つとなることを目的とするならば、多くの人たちを救うために、まず小乗から始めようとするのであれば、多くの願望成就は自我を満たしているだけだと理解する必要が出てきます。
 また、自我の為ではなく、世界の平和を祈っていたとしても、世界中で、時を超え、世界平和のお祈りはされているのですが、平和が訪れていないのは何故かを理解する必要があります。

 ある段階からは自我を内なる神に明け渡し、自我に関する問題を一網打尽に解決していくしかないのです。ある時、内なる神=真我が我々が現実だと思っていたもの(幻想))を全て打ち砕いてくれるのですが、その時の衝撃に通常の脳は耐えることができません。そこで我々は真摯な霊性修行が必要になってくるのです。もし、アセンションに際して、西洋風に言うならば、ハイアーセルフが肉体に入ってくるのであるならば、その為の準備はしっかりとしておく必要があります。

 しかし今はとても良い時代です。地球の波動が底上げされていますから、以前ほど大変なことではありません。一つの方法としては、正しい呼吸法をしていると、気の流れが良くなり生命力がアップしてきます。また続けることで横隔膜が徐々に下がってきます。それに伴い、脳(松果体)の活性化とマインドの浄化が進み、真我のパワーに耐えうるものとなります。

 面白いもので、そうなった時に、我々の本質が豊かさそのものであることを知ります。豊かさを祈る必要は何もないのです。違う言い方をすれば、豊かさを求めて祈っていた神が自分自身だったと知るだけです。

 自分の行動は自我を満たそうとするものなのか、それとも自我を打ち砕こうとするものか、そのことにしっかりと気づいていられると良いですね。スピリチュアルな情報を必要以上に求めることも、そうです。神と一つとなるには、マインドを静め、全ての知識を投げ出す時がやってきます。我々は既に神ですので、神になる知識は必要ないのですね。人間になるにはどうしたら良いのですかと尋ね、一生懸命努力して人間になろうとする必要はないことと同じです。

 ですから、聖者の大切な教えは、『静かにしていなさい』です。