いろは歌
【いろは歌解釈】
表の意味は、涅槃経の四句の偈(げ)、諸行無常・ 是生滅法・ 生滅滅己 ・寂滅為楽の心
しかし、一音一音の法を解くと、日本紀神代の巻(宇宙開闢から国産み・三貴神誕生まで)の神秘を顕す。
いろはにほへと
いは息、ろは塊(かたまり)、はは放、には両、ほはゝ(ほち)、へは脹(ふくれる)、とは與(あたえる、くみする)
『父母の息が塊り、その後放って二つに分かれる。母の胎内にゝができ、それが脹れていく。』
ちりぬるをわか
ちは血、りは濁水、ぬは緯(ぬき)、るは濁水、をは縦、わは輪、かは絡(からむ)
『母の胎内で宿ったものは、やがて血の気がおこって濁り、緯(ぬき)をなし、また濁って縦をなし、そして輪をなす。そしてその輪がいよいよ絡まる。』
よたれそつねな
よは與(くむ)、たは玉、れは濁、そは水火(いき)、つは続く、ねは根、なは凝(こり)
『すでに輪となり絡まり終わったものは、今度はくんで玉のごとく濁り、その火水(いき)が続いて息の根が定まる。』
らむうゐのおく
らは濁水、むは渦巻、うは浮く、ゐは水火(いき)、のは清き水、おは起こり、くは火が浮き出て降りる。
『すでに息の根が定まって、濁水は下に行こうとして渦を巻き、浮かび上がる(火水)は清くして起こって天となる。先ほどの下に行った濁水は降りて土となる。』
やまけふこえて
やは文、まは向、けは差別(けじめ)、ふは吹く、こは凝る、えは胞衣(えな)、ては発。
『文(あや)に向(ま)えくみて差別(けじめ)をなし、息吹きて、凝り固まった胞衣(えな)がついに発する。』
あさきゆめ
あは空水、さは割く、きは別れる、ゆは和、めは回る
『空水は割き別れ、地の火と和する。地の火は天に昇って、天地の火と水は回り合う。』
(※空水、地の火は逆の様に思うかもしれませんが、これが天地本来の法則だそうです。その証拠に、胎児は頭を下にしていると。)
みしゑひもせす
みは水、月、しは始め、ゑは絡み回る、ひは日、火、もは舫(もやう)、せは瀬、すは洲
『水(月)は始めて形をなし天に回り、日と舫うて昼夜をなす。ここに至って初めて天地ができる。故に瀬ができ、洲ができる。』
参考文献:山口志道著『言霊秘書』イロハ口伝より(八幡書店)