私たちには顕在意識と潜在意識があります。そして潜在意識のある領域で、我々は一つに繋がっていると言われています。その一つに繋がっている領域を集合意識と言います。
　ですから我々一人一人の思いは集合意識に反映されていきます。そして集合意識に反映されたものは、必ず現象化していきます。例えば人を見下すという意識は、見下すという行為を現象化する為に、見下される存在を生み出します。また、人を人とも思わないような強調された存在も生み出します。私たちの多くはこの法則を知らないが故に、例えば浮浪者のような人たちを見た時、そういった人たちを批判し見下していきます。しかし、実際には我々一人一人の見下すという意識が浮浪者のような見下される存在を生み出しました。また見下すという体験をする為には、誰かが見下される存在の役目を背負わなければならないのです。

　これらの現象を一本の木に喩えると、分かり易いかもしれません。集合意識は普通一般的には理解できません。我々の感覚では分からない領域ですね。ですから我々一人一人の意識は根に当たります。
　『あの人さえ会社にいなければ、もっと良い会社になるのに。』のような排除の思い、または『あの人の考え方は間違っている。』のような自分の価値観・主義でもって人を判断する思いがあります。これらの意識・エネルギーがどれほど大きいかは想像できるしょう。つまりこれほどの根が張っているのなら、当然巨木となります。そしてたくさんの花や実を付けることでしょう。この花や実が、戦争や様々な犯罪に当たります。つまり自分でその現象の一端を担っていながら、その現象を忌み嫌うのです。

　くどいようですが、もう一つ例を挙げてみましょう。『親のお金だから・・・』、『会社のお金だから・・・』と言って、自分のお金だったら遣わないような遣い方をしてしまいます。しかし世間では税金で豪遊したり、会社のお金を横領したりする出来事が起こります。人間の作った法の中では無罪と有罪が存在しますが、実は宇宙の法から言ったら、同罪・・・ではありませんよ、安心してください。罪なんかありませんから。でも同じエネルギーです。
　例えばライブドアのような問題も、人間の法の下では有罪かもしれませんが、粉飾決算をするのに有罪にならないようにすることは可能です。決算前に架空の売上書を出して、決算後の売上をそれに当てるとかして。

　しかし私はそこで、ゲーテの『ファウスト』の中の一節を思い出します。悪魔メフィストはこう言います。
『悪を為そうとして、善を為す』と。
　ライブドアのお陰で、今まで合法的に粉飾決算をしていた会社は、水面下でそれを禁止したりしています。
　また戦争や犯罪のお陰で、その悲惨さを知り平和を求めます。しかし、面白いことに平和を求める思いは、平和でない状況を生み出します。このようにして、我々は二極の中での学びをしているわけです。ですから一方を、例えば善悪と分けた場合は悪の方だけを切り捨てるということはできないわけです。悪と善は裏表の関係ですから。当然被害者と加害者も表裏一体です。ですから被害者には同情して愛の祈りを贈り、加害者を批判し憎んでいるのなら、その人の前には永遠に被害者と加害者が存在するでしょう。そこでイエスは『汝の敵を愛せ』と教えたのです。ありのままを認め、自分の内でこの二極を統合しない限りは、何も変わらないのです。
　日本では鏡の教えとして『全ては己にあって、他には無い』と『全てはあなたを映し出す鏡』だと教えたのです。戦争を無くすには、自分の中で排除する思い、批判したり判断したりする思いを超越することが必要なのです。一生懸命に花や実を落としても、根でしっかりと栄養をやっている状態ですから、時期が来たらまた花を咲かせるでしょう。

　特にライトワーカーとして、または志している人たちはこのことに率先して取り組んで頂きたいと思います。自分の中で二極の統合をすることをせずに、聖地を回ったりして世界の平和をお祈りすることは、医学で言うところの対症療法に似ています。症状を無くすだけで、根本の解決にはなっていません。また別の場所が痛み出すでしょう。
　しかし、今目覚め、アセンションに力を貸したいと願っている者たちが、多くの人々を癒し導いて行くでしょう。神々から見たら、希望の星であることに変わりはありません。私は、この統合をしていない者の祈りが無意味であるとは言っていません。むしろとても意味があり、地球の為に大いに役立っています。
　そして二極の学びの中で、愛・光・神に気づき、歩み出した者たちが、二極を統合し始めたら、当然集合意識に反映されます。反映されたものは必ず現象化されます。１０１匹目のサルの現象が起きます。スピリチュアルな世界でよく言われるように、自分が変われば世界が変わるのです。

　『でも、加害者や嫌いな人を愛するなんて、難しい〜』と思っていたら、本当に難しい世界を引き寄せます。
　１０年前には、神を感じることはとても難しいと感じられたでしょう。しかし今のスピリチュアルの状況は、１０年前からしたらとても信じられない光景だと思います。ですから、『二極を統合することはとても難しい』と思うよりは、『二極を統合する学びに私も遂に入ったんだな〜』、と思った方が気が楽ですね。

　　自分の中にあるエゴや傲慢さや、人を判断する思いをまず認めてくださいね。そういった感情はいけないとは思わないで下さい。『私は今、この感情を体験している』と認識すればよいのです。自分のエゴを認めることをしなければ、他人のエゴを認めることが出来ませんね。我々は多様性を学びに来たのですから、様々な感情を体験しましょう。地球５０億年の中で、一度たりとも同じ雲は見れないなんて、我々は何という豊かな星に生きているのでしょう。

　我々が地球を卒業して、他の星に行った時、
『ねえ、あなたひょっとして・・・あの時地球にいなかった？』
『えっ、何で分かるの？』
『それは分かるわよ。だってそんな風には他の星では輝けないもの』
　と、言われるかどうかは知りませんが、素敵な学びがこの地球で出来ることは確かだと思います。


　この二極の統合を、宇宙の法を、分かりやすい日本語で教えてくれるサイトがあります。『津留晃一の世界』です。参考にして下さい。