がん治療プロトコル 実践ガイド

ハイブリッド・オーソモレキュラー・プロトコル

本プロトコルの概要

本プロトコルは、2024年9月に国際オーソモレキュラー医学会により発表された治療法です。ミトコンドリア機能の改善とがん幹細胞の抑制を目的とし、既存薬の再利用により副作用を最小限に抑えながら治療効果を得ることを目指しています。

処方薬剤

1. イベルメクチン

投与量

病期分類 投与量 投与頻度
低グレード 0.5mg/kg 週3回
中グレード 1mg/kg 週3回
高グレード 1-2mg/kg 連日投与
投与例:体重60kgの中グレード患者 - 60mgを週3回
服用時間:食後(脂溶性のため食後直ぐで吸収率向上)

2. メベンダゾール

投与量

病期分類 1日投与量 投与方法
低グレード 200mg/日 1-2回分割
中グレード 400mg/日 2回分割(各200mg)
高グレード 1,500mg/日 3-4回分割
服用時間:食後(脂溶性のため食後直ぐで吸収率向上)

3. ビタミンD

投与量

血清25(OH)D濃度を80ng/mLに到達させることを目標とする。

血清濃度 投与量/日
30ng/mL未満 50,000IU
30-60ng/mL 25,000IU
60-80ng/mL 5,000IU
80ng/mL到達後 2,000IU(維持量)
服用時間:食後(脂溶性のため食後直ぐで吸収率向上)

4. 亜鉛

投与量

体重 1日投与量 投与方法
50kg 50mg 25mg×2回
60kg 60mg 30mg×2回
70kg 70mg 35mg×2回
服用時間:食後(胃腸障害予防のため)
目標血清濃度:80-120 μg/dL
維持量:目標濃度到達後は5mg/日に減量

5. 高濃度ビタミンC点滴療法

投与量

食事療法

ケトジェニック食

がん細胞のエネルギー源であるグルコースを制限する食事療法。

栄養素配分

制限食品

糖質、穀物、根菜類、果物(ベリー類少量を除く)

断食療法(進行がん適応)

補助療法

運動療法

高気圧酸素療法

投与スケジュール例(中グレード・体重60kg)

月・水・金曜日

時間帯 薬剤・投与量
朝食時 イベルメクチン 60mg
メベンダゾール 200mg
ビタミンD 25,000IU
亜鉛 30mg
夕食時 メベンダゾール 200mg
亜鉛 30mg

火・木曜日

時間帯 薬剤・投与量
朝食時 メベンダゾール 200mg
ビタミンD 25,000IU
亜鉛 30mg
夕食時 メベンダゾール 200mg
亜鉛 30mg

高濃度ビタミンC点滴:90g 週2-3回(医療機関にて実施)

治療期間

重要事項

  1. 医師の監督
    本プロトコルは必ず専門医の監督下で実施すること。定期的な血液検査によるモニタリングが必須。
  2. 個別化医療
    患者の体重、がん種、病期により用量調整が必要。副作用出現時は直ちに医師に報告。
  3. 薬物相互作用
    併用薬がある場合は必ず医師に申告すること。
  4. 標準治療との関係
    本プロトコルは標準治療(手術、化学療法、放射線療法)を否定するものではなく、補完的治療として位置づけられる。

作用機序

  1. がん幹細胞の排除による再発・転移の抑制
  2. 解糖系およびグルタミン代謝の阻害
  3. ミトコンドリア機能の回復とアポトーシスの誘導
  4. 複数薬剤の相乗効果による抗腫瘍作用の増強

注記:本プロトコルは2024年9月に発表された研究に基づく。臨床適用に際しては、必ず医師の判断のもとで実施されたい。

※論文では、特に転移性がんに対してメベンダゾールとDON(6-diazo-5-oxo-L-norleucine)の併用が推奨されていますが、DONはグルタミン拮抗薬で一般的には入手困難なため、ここでは省略しています。詳しくは論文をご参照の上、自己責任にて判断してください。