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終活

 新元号が『令和』に決まりました。新しい時代の始まりが目に見える形でも進んでいきますね。また3月21日の春分の日は満月と重なりました。日本国内でスピリチュアル系のイベントが行われたと思いますし、新しい御代に向けて準備するには大切な1日になったと思います。その中でも一番の出来事はイチロー選手の引退だと個人的には感じています。純粋な感謝のエネルギーが膨大に生み出され、それが最もエネルギーが増大し広がりやすい日の一つと重なったことは、神議り(かみはかり)としか思えません。厳密に言えばすべての事象が神議りですが。


 本題に入りますが、終活に向けて、お葬式やお墓、仏壇や戒名のことなどを最近は良く聞かれますので、あくまでも私の考えを伝えさせていただきます。結論を言えば、正解はありません。故人の思いを優先させるか、残された家族の思いを優先させるか、お寺の方針や一般的なしきたりを優先させるか、または親子や夫婦の関係の良し悪しや力関係、社会的地位、金銭的な問題などでいろいろ変わってくると思います。

 神主の立場としては、亡くなった方の御霊が成仏(帰幽)しているかどうかだけが大事なことになります。以前にも書きましたが、成仏していれば、故人の為に行うその後のことは『主人公のいない後の祭り』になります。また私は成仏(帰幽)の手助けを頼まれることがありますが、戒名などは使ったことがありません。名前がおぼろげな場合でも子孫や家族の方ががいらっしゃれば、「○○さんのおばあちゃんの御霊」のように呼びかけるだけでほとんど大丈夫です。ただ、例えば故人が戒名が必要と思い込んでいる場合は、亡くなった後複雑な思いを持つこともありますし、残された家族も病気や事故にあった場合、「戒名をしっかりつけてあげなかったから、罰が当たった」のような思いが出てしまうことがありますので、そういう不安を払拭したい方はつけておいた方が無難になります。

 本来戒名とは仏門に入った証として与えられるものなので、あの世へ行くという意味での成仏=帰幽に関係するものではありませんし、向こうの世界で何か得をするということは勿論ありません。面白いもので、逆はあります。例えば立派な戒名をつけてもらったので、向こうの世界でそれが役立つと思い込んでいる故人は、死んだあと役に立たないことを知り、がっかりすることはあると思います。似たようなたとえ話もあります。たくさん寄付などをしてきたので天国へ行けると思っている人が、死んだあと当然入れると思って天国の門の前で堂々と立っていたら、「お前は自分の為にしてきただけだ」と追い返された、という話です。

 お墓や仏壇に関しても、神棚と同じで、あるならちゃんとやる、ちゃんとしないなら無い方が良いです。神社の御神体と神社に関して、例えば阿蘇神社でいうと、阿蘇山がご神体になりますが、阿蘇山ではほとんどの方が遊びに行くだけですが、麓にある阿蘇神社ではお参りします。本末転倒な気もしますが、一般的にはお祈りする正式な場が決まっていた方がお祈りしやすいです。お墓や仏壇も同じで、そこに御霊がいたら成仏していないことになるので大問題になりますが、成仏している場合残された人たちが故人に向き合う場としては、あった方が良い、もしくは安心する方が多いと思います。そうであるならば写真でも十分なのですが、ペットが亡くなったあと骨を大事にしている方が多いように、遺骨があった方が繋がっている、もしくは守られている感覚が強くなる方が多いと思います。プラシーボ(思い込み)と言えばそれまでですが、プラシーボの影響は安心感として実際に大きいので、関係する人たちが望んだ形にすれば良いと思います。

 ちなみに私は既に両親と話してあり、両親の意向で直葬、散骨、お墓・仏壇無しと決めてあります。仮に両親や親戚が逆のことを言ったとしても、私はそこにこだわりがないので、希望に沿うように合わせます。

 一方、仏舎利=仏陀の骨のように、その骨に悟りのエネルギーを有している場合は霊性修行としては役に立ちます。しかし親子関係などの場合は、遺伝子や生前の関わり合いにおいてオーラ内にエネルギーが残っているので、骨にこだわる必要は無いと思いますし、現代は火葬ですのでエネルギーは何処まで残るかは疑問です。

 魂の成長、カルマの清算としては、亡くなった後よりも生前の関係の方がはるかに重要になりますが、不仲だった関係が死ぬ間際に和解する場合もあれば、普通に付き合ってきたのに、死んだあと遺産のことでもめ出し、生前ちゃんとしていない親を憎んだりと、人生はどう転ぶか分かりません。しかし、終活をちゃんとすることによって、防げることもあると思いますし、常識と思っていることの中には、実際には大した意味が本当はないこともある、ということを知ることで行動も変わってくるかと思います。終活ブームや直葬が増えていることなど、既に時代は変化しています。新しい時代に向けて、何事にも自由な発想で向き合える練習をして頂きたいと思います。